もう、誰も好きにならない。










美奈さんの姿が見えなくなると







「・・・・・・・・・・・・美奈さんのお腹は鳴らなかったのにね」







二宮弟が隣でクツクツ笑い出した。







「言うなよ。 黙っとけよ」







そんな二宮弟の横腹を肘でど突く。







「痛い痛い。 冴木の肘、割と鋭利。 つかさぁ、美奈さんに取られるなよ。 何暢気に美奈さんの応援なんかしちゃってるワケ?? 冴木、兄ちゃんの事好きなくせに」








二宮弟が、あばらを撫でながらワタシを見た。








断定的に言い切る、二宮弟。








「・・・・・・・・・・・・・何ソレ」







その辺の話は、誰にも踏み入って欲しくない為、白を切ろうと試みる。









「え?!! 『二宮くんはイイけどアンタは触っちゃダメ!!』って分かり易くキレといて『何ソレ』って逆に何ソレなんですけど」








・・・・・・・・・・・・・・確かに。 二宮弟に返す言葉もない。








「オレは冴木派。 断然冴木押し。 美奈さんみたいに流されたりしない冴木が、兄ちゃんには似合ってると思う。 まじで頑張れよ、冴木」








二宮弟が、ワタシの背中をパシンと叩いた。








「・・・・・・・・・・・・なんで応援してくれるの??」








「だってオレ、冴木作戦遂行したいから。 兄ちゃんに彼女が出来ないと、謝れないじゃん」








「・・・・・・・・・・・・・ゴメン。 キミの応援には答えられそうもないよ。 ワタシ、友達になる事さえ拒否られてるから」








『違う誰かで作戦を決行したまえ』と、今度はワタシが二宮弟の背中をポンポンと叩くと








「・・・・・・・・・・・・・・イヤ、オレ、イケる気がするわ。 兄ちゃん、めっさ冴木の事気にしてるじゃん。 フツー、友達になりたくないヤツにそんな事言う?? ただただ関わらなきゃいいだけの話じゃん。 ・・・・・・・・・・・・・・アレだな。 そうやって線引かないと好きになりそうなパターンだな」







二宮弟がニヤリと笑った。







「・・・・・・・・・・・・キミ、凄まじくポジティブだね。 もしくは少女マンガ読みすぎ」








「冴木がネガティブすぎんの。 はたまた少女マンガ読まなすぎ」







二宮弟の言う事が本当なら、どんなに嬉しいだろう。







ただ、ワタシは少女マンガを死ぬほど読んでいる。







現実はそうじゃない事を知っている。