勝手に古今和歌集

しかも、最近どうやら二人はイイ感じらしいのだ。



ときどき一緒に帰ったりしているのを、あたしは何度か目撃している。





「うちのクラスのひとだけに、付き合ってるって思ってもらえればいいの」




「なんだよそれ」




「事情があんの!!」




「わけわかんねえな」




「万が一噂がひろまったときのために、美里ちゃんにはあたしから事情話して、ただのフリだって言っとくから」




「ほんとかよ!?」




「とにかく、彼氏がいるとでも思ってもらわないと、あたしの貞操の危機なのよーっ!!」





あたしの剣幕に驚いたのか、とうとうサトシは『カレカノのフリ』を了承してくれた。