勝手に古今和歌集









「………俺、昨日も、夏木さんの夢見ちゃった」






犬飼くんを突き放せキャンペーンが始まってから一週間ちょっと。




犬飼くんが不気味なことにぽっと頬を赤く染めて、そんなことを言ってきた。





あたしはぞぞぞと背筋がざわめくのを感じつつ、





「へっ、へぇ~!?

心当たり全くないんだけどね〜!?」





と裏返った声で答え、渚のもとにダッシュした。






「莉緒、だいじょーぶ!?」





「………もう駄目かもしんない……」






あたしはげんなりしながら渚に抱きついた。





渚が厳しい目つきで呟く。






「---やはり、敵は手強いな。


こうなったら、最終手段に出るしかないか………」