短編集『秋が降る』

胸がドキドキと鼓動を打つ。

神様。

ううん・・・俊秀さん。

どうか、私を守ってください。

あなたに会いたい。

あなたに会いたい。

花瓶を握る右手が汗をかいている。


カラ・・・

扉が静かに開く音。

小柄なスカイが部屋に入ってくる。

「あれ?」
つぶやく声。

ベッドに私がいないのに気付いたようだ。