短編集『秋が降る』

夜の闇の中、私はベッドに横になっている。

服はパジャマからタンスにある趣味の悪い服へ変えておいた。

まもなく夜中の2時。

今日の夜勤は小柄なスカイ。

運が私に味方してくれているような気がしている。

ゆっくり体を起こすと、私は部屋のすみっこへと移動する。
右手には花瓶を持っている。

パタン

少し先の部屋の扉を開ける音。

見回りをしているらしい。

私は花瓶を後ろ手にすると、闇に隠れるように立つ。

パタン

もう、隣の部屋まで来ている。