短編集『秋が降る』

ペンのような棒を私のお腹に当てると、棒の先端についているボタンを押した。

チクッとした痛みがあったが、液体はそれほど入っていないようだった。

「これは・・・なに?」

「あなたは知らなくていいことです。また騒がれたら困りますから」

あの大暴れの一件以来、スカイはあからさまに私に対する態度を硬化させていた。

私は、
「わかりました」
と素直に言った。

「ふ。少しは薬の効果がでているようね」
そう言うと、スカイは去って行った。

じんわりとお腹のあたりが赤くなっている。


こうやって強い薬になってゆくのか・・・。