短編集『秋が降る』

もう時間がない。

逃げるなら早いうちでないと、私もカナさんのように強い薬で殺される。

ベッドの下にそれを隠すと、私は自分の両手を見た。
まだそんなに力が入らない。

でも、迷っている時間がないのも確かだ。

今日から力をつけよう。
そして、前のような力が戻ったなら、すぐにでも決行するのだ。

スカイホームを脱出してみせる。