短編集『秋が降る』

「だいぶ、いいようだね」

これは・・・誰の声?

杉浦先生?


俊秀さん?

ああ、俊秀さん。


もう一度あなたに会いたかった。

私が愛した人。

あなたのやさしさが大好きでした。


今ならわかるの。

あなたはやさしいから、そのやさしさで私の将来を考えてくれたの?

本当はお見合いなんてしてほしくなかった。

だけど、言えなかったの?