短編集『秋が降る』

カナさんとも話をするが、彼女は最近薬の副作用か、部屋で寝ている時間も増えてきていた。

秋はどんどん深まり、木々がたまに葉を散らすようになっていた。

ある日の夕方、眠りから目が覚めた私がリビングに行くと、窓辺に立って外を見ているカナさんがいた。

「起きたの?」
力なく言うカナさんにうなずいてみせた。
「どう、もう慣れた?」

「いいえ」
素直に答えるとカナさんは、
「そう」
とつぶやいた。

「体調、良くないんですか?」
そう尋ねる私にカナさんは鼻から息をこぼした。

「良くない。なんだか、苦しい」

何と答えればいいのかわからずに同じように外を見た。