短編集『秋が降る』

「俊秀って?」

その声に目が覚め飛び起きる。
息が荒い。

見ると、ベッドのすぐ横にある椅子に初老の男性が座っていた。

「すまない、びっくりさせたね」
口ひげをゆらせて男性は言う。

「だ・・・」
声が驚きのあまり出ない。

「あまりにも気持ちよさそうだから、声をかけられなくってね」

「誰ですか!?」
やっと出た声は裏返った悲鳴のよう。

「飯野さん、先生の診察です」
その声にやっと後ろにスカイが立っているのが見えた。

私に薬を与えたスカイだ。