短編集『秋が降る』

「そんな・・・」
よほど心配そうな顔をしていたのか、カナさんは、
「大丈夫よ」
と笑った。

「でも少し部屋に戻ってるわね。なにかあったら来てちょうだい」
そう言うといくぶんさっきよりも苦しそうに立ち上がると、すぐそばの部屋に入って行った。

残された私は、周りを観察する。

ぼんやりとしている佐藤さん、机につっぷして寝ている女性、抱えるように連れてこられた男性はうめくような声をあげていた。

私は佐藤さんのそばに行き、周りを見渡した。
スカイの姿はいつの間にか見えなくなっていた。

「あ、あの。私、飯野ハルです」