短編集『秋が降る』

食事が終わると、別のスカイがやってきて薬を配り始めた。

年配の50歳くらい。
やはり同じように無表情だ。

そのスカイは、
「口」
としか言わない。

そう言われた人は口を開く。
すると、錠剤を口に放り込まれる。
水で飲み込むと、また口を開いてきちんと飲み込んだことを確認される。

カナさんも同じように錠剤を3つ飲まされていた。

私の顔を見ると、初めてそのスカイは、
「名前」
と、違う単語を言った。

「え?」

戸惑う私に、
「名前」
と繰り返し言う。