短編集『秋が降る』

いきなり呼び捨てなのには、さすがにムッとしたが、それよりもそのあとの言葉のほうが重要だ。

「ここが・・・私の部屋?」

改めて部屋を観察するが、どうみても私の部屋じゃないことは明らかだった。

そんな私を横目で見ながら、カナさんは軽く首をかしげた。

「あぁ。正しくは、今日からあなたの部屋なのよ」

「ど、どういうことですか? 私、無理やり連れてこられたんです」

「うんうん、そうよね。この部屋の前の住人も同じこと言ってたもの」

「ここはどこなんですか? 私はいったいどうしてここにいるんですか!? 頭も痛いし、喉も乾くしどうなってるの!」

思わず立ち上がり、声を荒げてしまう。