短編集『秋が降る』

意を決して少しだけドアを開けて、のぞいてみる。

普通の家にしては広いスペースが広がっていた。

左側には大きなカウンターがあり、中央には4つのテーブルと椅子。
右にはソファーが置いてある。

大きな窓は全面がガラス張りになっていて青空が見えた。

まるでサロンみたい。

いくつかのドアも見える。
それぞれ部屋があるようだ。

その時だった。

のぞいていたドアが勢いよく開いたのだ。

悲鳴をあげるひまもなく、思わず相手に倒れこむ。

「あら。ごめんなさいね、驚かせちゃって」
とっさに私を抱きかかえるようにして、その女性は言った。