短編集『秋が降る』

急に体の力が抜ける。

いったいなんなの?
壮大なドッキリ企画みたい。

でも、拓斗に抱きしめられてると安心する。

目を閉じているとあったかくって、やさしくって。

「私も好き」

「そう、それでいいの」
拓斗が体を離して私を見て笑った。

「安心したら眠くなってきたよぉ」

急に睡魔がやってきていた。
さっきあんなに眠ったのに。

言っておかないと、今にも眠りそう。
なんだか感情がゆさぶられている今日。

「待ってろよ。すぐに布団敷くから」

「うん・・・眠い」