短編集『秋が降る』

ふと気づくと、いつの間にか眠ってしまっていたようだ。
ヘンな格好で寝てたせいか、肩と首が痛いし。

「今、何時なんだろ?」

携帯を取り出すと、
「げ!」
電池が切れている。

やばい・・・。
立ち上がって電源を入れてみるが無反応。

なんか最悪。

「・・・帰るか」
そう思ってスカートをはたいていると、どこからかバイクの音が聞こえた気がした。

耳をすますと、
「拓斗だ」
彼のバイクの音だった。

中古でたまに変な音のするエンジンだからわかりやすい。