シオンズアイズ

歳は俺より若いはずなのに、馬をかけ、陥落した都に独りで乗り込み、敵の様子をうかがって、七色の瞳の乙女を救出しようとしている。

なんなんだ…。

顔はあどけなく、体はそう大きくもなく、力だって強くはあるまい。

体には負ったばかりの傷が多数あり、態勢を変える度に苦しげに眉を寄せている。

こんなに傷ついた体で、リアラの城から馬に乗ってきたのか。

長い髪はサラサラと風になびき、大きな瞳は意思が強そうで、眩しかった。

香は、チラチラとアルゴの視線を感じて、勢いよく彼を見た。

「なによ」

アルゴはドギマギしてぎこちなく眼をそらした。

「いや、その、傷を負っているようだが……大丈夫なのか?」

……まさか、今この状況で口説けない。

けど、こういう女が、俺は好きだ。