シオンズアイズ

シオンはなす術もなく、ただシリウスの整った顔を見つめた。

そんなシオンを見て、シリウスはクスリと笑った。

「今日はゆっくり休んでよ。話はまた明日」

シリウスは、そう言って部屋を出ていこうとした。

出ていこうとしたが、ああ、と小さく呟くと、踵を返してこちらを向いた。

「忘れるところだった」

シオンは、僅かに首を傾けた。

「なんですか……?」

するとシリウスは、大したことではないと言ったように首を左右に振り、腰の長剣をスラリと抜いた。

それから再びシオンの寝台まで歩み寄り、

「王子様の元へ走られたら困るからね」

言うや否や、抜き放った長剣を器用に回転させ、その切っ先を素早くシオンの足に突き立ててから、ゆっくりと引き抜いた。

「きゃああああ!」

「ごめんね」

軽い口調とその微笑みと、自分の足から泉のように湧き出る鮮血に、シオンは思考がまとまらなかった。

ただ、痛さと恐ろしさのあまり、悲鳴をあげて泣き続けた。