シオンズアイズ

心臓が掴みあげられたようにドキンとして、シオンは目の前の男を見つめた。

「君をエリルの森の外れまで運んだ男が、君と王子様が一緒なのを見たらしいから」

シオンは言葉を返さず、男の白銀の髪とグレーの瞳を交互に見つめた。

「シリウス様、先程の女が消えました」

扉の向こうで声がして、目の前のシリウスと呼ばれた男は、シオンを見つめたまま返事をした。

「放っておけ」

シリウス…。

「ここは、どこですか?私を助けてくれたんですか?」

石造りの部屋は重厚な感じがしたが、入り口と窓にかけられた布は、無地で質素だった。

ユラユラと揺れるランプの光が石の壁に一層歴史を感じさせて、シオンは無性に不安を覚えた。

どこなんだろう、ここは。

シリウスは僅かに眼を細め、微笑んだままで答えた。

「ここは、ケシアの都だ」