シオンズアイズ

香は馬に鞭を入れ、短く声をかけた。

馬は素晴らしく早く駆けた。

北だ。

北に、シオンがいる。

香には分かるのだ。

守護する者として。

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アイーダは、城から勢いよく馬で駆けて行く香を見て、ほくそえんだ。

腰には水袋と短剣、左側には長剣をさし、背中には弓を背負っている。

あの様子はおそらく、シオンを助けに向かったのだろう。

守護する者は、七色の瞳の乙女の居場所が自ずと分かる。

ケシアは最北の都で、この王都リアラから早馬でも三日はかかるはずである。

絶好の機会だ。

アイーダは、ゆっくりと城に近付いた。