シオンズアイズ

香がファルの力を逆手にとり、そのふくらはぎを蹴りあげたと思うと、仰向けに彼の体を地面に叩き付けた。

な、に?!

ファルは焦って体をねじった。

「遅い!」

香はファルの溝落ちに固めた拳を降り下ろした。

それから唇を引き上げ、ファルを見てニヤリと笑うと、ピシャリと言い放った。

「言え!寸止めに感謝と」

ファルは香から眼をそらし、大きく息をつくと、天井を仰いだ。

「降参だ」