シオンズアイズ

「大丈夫…」

頬を押さえた指先が耳たぶに触れ、シオンはハッとした。

…ない!

ピアスが、ない!

今、枝があたった衝撃で外れちゃったの??

それとも、もうずっと前から無くしてしまってたの?

シオンは思わずしゃがみこんで地面をみつめた。

分からない、草や土や、砂利で…。

反射的に反対の耳たぶを確認したものの、そちらの耳にもピアスはなかった。

両方なくしちゃった…。

「おい」