シオンズアイズ

「では、魚に刺す枝を二本、取ってこれるか?」

シオンは頷いて、近くの木に近付き、手頃な枝を折ろうとした。

か、か、硬っ!!

握ってへし折ろうとしても、弾力が強く、全く折れない。

シオンは枝を強く握り、更に力を込めた。

えいっ!

ところが勢い余って枝が指からすり抜け、弓なりになったそれがシオンの頬を打った。

「痛っ!」

シオンは鞭で叩かれたような痛さに、ギュッと眼を閉じた。

「どうした」

顔を押さえたシオンに気づき、ファルが慌ててやってきた。