シオンズアイズ

それから思わずフフッと笑う。

「知ってる」

「笑うな」

「だって……照れてるの?」

「俺は照れてない」

七色に輝くシオンの瞳を見ながら、ファルは思った。

忘れないように、この瞳を目に焼き付けておこう。

「……なに?」

階段を降りようとせずに、ジッとこちらを凝視するファルを不思議そうに見て、シオンが問う。

そんなシオンを見てファルがニヤリと笑った。

「お前を抱いたらもう、七色に輝く瞳を見られないからな。眼に焼き付けてたんだ」