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「香……これからどうする?」

ファル達の軍が戦後の処理に追われる中、香とシオンはサーガル川を見下ろす小高い丘にある岩に腰を下ろした。

シオンは少し笑って続けた。

「香はもう『守護する者』じゃないんだから、私に遠慮しちゃダメだからね」

「ここに、残るの?」

香の問いにシオンは頷いた。

「もう、何も知らなかった頃には戻れない気がして……」

遠くを見つめるシオンの瞳が七色に輝いて、香はその美しさに眼を細めた。

「それに私、気付いたの。力の使い方に。
『七色の瞳の乙女』は、血と涙だけじゃないってことに」

確信は無かったけれど、シオンには薄々分かっていた。