シオンズアイズ

「それに?」

シオンは、思いきって言った。

「あなたは、私を殺すかも知れないでしょう?だから私……あなたが怖いし、あなたといたくない」

素直に胸の内を言葉にし、こちらを見ている大きな瞳。

ファルは、ふうっと笑った。

「俺は、お前を殺さない。
それに……俺は、こうしていたい、お前と」

「へっ?」

驚いて間抜けな声を出しちゃったわ。

シオンはドキンとしてファルを見つめた。

ファルは、真っ直ぐにシオンを見て、低い声で囁くように言った。

「また、泣くか…?俺がお前に口づけたら…」

自分に向けられている眼差しがあまりにも甘く魅力的で、シオンは全身の血が逆流するような感覚を覚えた。

鼻と鼻が触れそうな距離で、ファルの吐息がかかる。