シオンズアイズ

オーディンが叫ぶ。

「下がれっ!」

「そこにいたんだ……」

シリウスの唇がグイッと上がった。

これ以上開けられないほどに眼を見開き、シリウスがシオンの姿を捉える。

「お前なんか、死んでしまえ」

シリウスは囁くようにそう言うと、素早く腰の短剣を引き抜いてシオン目掛けて思い切り投げた。

やはり魔剣だ、ちきしょう!

「くっ!」

オーディンが、投げられた短剣を払い落とそうとグングニルを突き出す。

「きゃあああっ!」

バランスを崩したシオンを追いかけるように、魔剣と聖なるグングニルががち合い火花が散った。