シオンズアイズ

これを以前に見たことがある。

いつだった?

オーディンは、苛立たしげに眼を細めた。

「ファル」

シリウスがファルの名を呼んだ。

ファルが静かにシリウスを見つめると、彼は瞳を伏せて浅く笑った。

「黄金族人間と白金族人間の違いを知ってるか?」

シオンはスクリーンと化した床を見ながら眉をひそめた。

シリウスの、静かな声が流れる。

「先に作られた黄金族人間は、特殊な能力を与えられた。だが、白金族人間はどうだ。
なんの得意技も能力も与えてはもらえなかった!!」

静かだったシリウスの声が徐々に高揚して震えた。