シオンズアイズ

数時間後。

シオンはゆっくりと眼を開けた。

焚き火がユラユラと燃えていて、辺りは暗い。

うわっ、マジか!

炎の灯りで浮かび上がってきた光景に驚き、シオンはゴクリと喉を鳴らした。

ちょっと待てよ、こりゃどーなってこーなったんだか…。

太い腕が自分の身体に絡み付いている。

どうした事よ、これは。

サアッと全身の血が引く感覚を覚えたが、考えている間に、思い出した。

たしか、馬に乗っていて、恐怖と全身の痛みを覚えながら前が真っ暗になって……それからの記憶がない。

多分、気を失ってたんだ。

一瞬その間に、貞操が守られなかったのではないかとゾッとしたが、どうやらそうではないみたいだ。