シオンズアイズ

シオンの喉にそっと触れると、燃えるように熱かった。

「山猿、しっかりしろ」

愛らしい顔立ちで、長い睫毛が羽のようである。

息を乱した唇は、ふっくらとしていて小さい。

「寒い……助けて……」

うわ言のように、シオンが呟いた。

ファルはシオンを抱く腕に力を込めた。

すると、それに答えるようにシオンはファルにすり寄り、彼の胸に頬を寄せてくるではないか。

「なっ!お、おい」

まるで心を許した恋人にするようなその仕草に、ファルの鼓動は次第に早くなる。

「山…シ、オン」

ファルはシオンに頬を寄せて、低い声で囁いた。

「シオン…」

どういう訳か、離したくないと思った。