シオンズアイズ

マントを脱ぐとそれでシオンをくるみ、地面に寝かせて火を起こした。

……こんなに弱い女が、本当に七色の瞳の乙女なのか…?

国を救う力があるとは、到底思えない。

ファルは、苦しげに眉を寄せて、きつく眼を閉じたままのシオンを見つめた。

「寒…い」

「おい」

「…」

「こら、山猿」

近づいて顔を見ると真っ青である。

「山猿」

「寒い…」

ファルはシオンを抱き起こし、自分の腕の中に抱いた。