◇◇◇◇
「シオンは大丈夫と言ったんだな?」
アーテス軍を追い詰め、敵国への攻め込みが成功して数時間後、陽はどっぷりと暮れた。
敵軍も息を潜め、こちらもようやく夜営を組んで焚き火を囲んだところであった。
「ああ。確かにそう言った」
ファルの問いにこう答え、アルゴは橙色の炎をのめり込むように見つめながら、あの時の状況を思い返した。
「オーディンの姿は見たのか」
マーカスの声で、皆の動きが止まった。
アルゴは記憶を辿るように眼を細めた。
「長い槍を持ち、腕には太い黄金の腕輪をはめてた。顔は…青い膜みたいな霧がかかってて…ハッキリとは……だが隻眼だった」
香は無事なのか。
アルゴは悔しそうに枝をへし折った。
「シオンは大丈夫と言ったんだな?」
アーテス軍を追い詰め、敵国への攻め込みが成功して数時間後、陽はどっぷりと暮れた。
敵軍も息を潜め、こちらもようやく夜営を組んで焚き火を囲んだところであった。
「ああ。確かにそう言った」
ファルの問いにこう答え、アルゴは橙色の炎をのめり込むように見つめながら、あの時の状況を思い返した。
「オーディンの姿は見たのか」
マーカスの声で、皆の動きが止まった。
アルゴは記憶を辿るように眼を細めた。
「長い槍を持ち、腕には太い黄金の腕輪をはめてた。顔は…青い膜みたいな霧がかかってて…ハッキリとは……だが隻眼だった」
香は無事なのか。
アルゴは悔しそうに枝をへし折った。


