シオンズアイズ

シオンはオーディンの長い槍にしがみついた。

「こ、こら、やめろ!離れろ!」

「離れません、望みが叶うまでは!」

グングニルを両手で握りしめ、必死で離すまいと歯を食いしばってこちらを見上げる大きな瞳。

「絶対、離さない!!ちゃんと話を聞いて下さい!」

こ、いつ……。

強い意志を宿らせたシオンの瞳に、オーディンは見とれた。

……ん……ヤバいぜ。

徐々に身体の芯が熱を帯びてきて、目眩がしそうになる。

キラキラとした涙を留まらせ、様々な色に移ろう瞳は、神々の持つどの宝石よりも美しい。