シオンズアイズ

「アホか」

……いや、本気でコイツを愚かだと思った訳じゃない。

だが。

オーディンは首を左右に傾けてバキバキと鳴らすと、シオンを鋭い隻眼で見据えた。

「カイルが死んだのはお前のせいじゃない。それに、お前の身を捧げられたところでカイルを甦らせる事は出来ねぇな」

どうして……どうして。

シオンはオーディンの隻眼を見つめながらポロポロと涙を流して泣いた。

「……それじゃカイルがあまりにも可哀想だわ」

「フッ、自分のモノサシで測るんじゃねーよ」

シオンは少し眼を細めて首を傾げた。

自分のモノサシで測るな?