シオンズアイズ

言いながら逞しい腕にはめた、黄金の腕輪ドラウプニルを反対側の手で撫でる。

「どうしてですか?!」

「ちなみに、望みってなんだよ」

シオンは必死で訴えた。

「カイルを生き返らせてほしい。それとこの世界に平和を与えてください」

……カイル……。

オーディンはわずかに眼を細めた。

彼は武力の神でもある。

とてつもなく優れた剣士であるカイルを、オーディンが知らない筈がなかった。

「カイルを生き返らせるのは無理だ」

「何故ですか?!あなたは凄い神様なんでしょ?!……カイルは私のせいで」

オーディンは、侮蔑の笑みを浮かべた。