シオンズアイズ

ガイザ帝国の王女と城内に入るのを、歩兵の二番隊長が目撃し、ファルの元にすぐ連絡が入ったのだ。

「……独りでか?」

「……うん」

「……」

ファルは暫くの間シオンを見つめていたが、やがて諦めたように息をつくとシオンの髪を撫でた。

その優しい仕草に切なくなる。

「……来い。明日は早い。もう休むぞ」

シオンの手を引き、ファルは歩き出した。

大きなファルの身体を見つめながら、シオンは思った。

……本当なのだろうか、王女リラの言った事は。

本当に私が最高神オーディンのもとに行けば、それと引き換えにオーディンは私の願いを叶えてくれるのだろうか。