シオンズアイズ

「きゃあっ」

よろけてガツンとファルの厚い胸にぶつかる。

そのままシオンを抱き締めながら、ファルは焦りを隠すことなく声を荒げた。

ガヤガヤと賑やかな宴の中、ファルの大声すらかき消えそうである。

「何処に行っていた!?勝手に離れるんじゃない!」

な、何で知ってんの。

シオンは巧い言い訳でごまかそうと、考えを巡らせた。

「ひとりで散歩してたら、ちょっと迷って……ごめんね」

ファルは、大きな瞳をクリンと動かし、きごちなく斜め上を見上げたシオンを見て眉を寄せた。

……どうして隠すんだ。