シオンズアイズ

だがダグダ自身、もう既に諦めているだろう。

何故なら、ファルがシオンを愛してしまったからだ。

ダグダは大きな男である。

息子の恋人を奪い取ってまで、神に捧げようとはすまい。

しかし、それを香とシオンに証明出来ない。

引き留めるには非常に心許ない内容である。

ならば、ここはひとつ。

「知ってるか?」

「何を?」

シオンは、背の高いマーカスを見上げた。

「香の話だ」

訝しげに眉を寄せたシオンを見つめたまま、マーカスはゆっくりと口を開いた。