シオンズアイズ

「王子が好きなのか?」

急に背後から声がして、シオンは振り返った。

「マーカス……」

シオンはコクンと頷いた。

榛色の瞳は何となく優しかった。

マーカスは、シオンを見つめた。

「あいつもお前に惚れてる、心から」

「…………」

正直、マーカスにしたら『七色の瞳の乙女』にも『守護する者』にも興味はない。

だが、ただの人間としての香には興味があるし、ファルにとってシオンは愛する女だ。

どちらもここで別れるには、名残惜しい存在である。

マーカスは、ふたりに去られてファルの精神状態を乱したくないのだ。

……引き留めねばならない。

七色の瞳の乙女を欲しているのは、我が国王であるダグダだ。