シオンズアイズ

「伝令係から連絡が入った」

各部隊の隊長が集まったダグダの屋敷の大広間に、ファルの低い声が響いた。

心なしか人の輪が密になる。

ファルは、瞳に力を込めて皆をグルリと見回した。

「ニア帝国で待機している父上の兵達は、十分に休息を取り、状態もいいらしい。俺達も直ちにロー帝国へ向かおう。ガイザ帝国を突っ切って進むぞ」

アルゴが驚いて声をあげた。

「おい待て。ガイザ帝国は中立国だし、他国をまたぐとすぐ敵に情報が漏れるぜ?!」

マーカスが鼻で笑った。

「通るだけで黄金が手に入るんだ。安いものだろう。それに」

一旦言葉を切ったが、マーカスは不敵な笑みを浮かべると再び続けた。