シオンズアイズ

「わからん」

「脳味噌、腐ってんじゃないの?」

おい、いくら俺でも好きな女に……傷つくぜ。

アルゴはソッと香を見たが、彼女はアルゴを一瞥するとツンと横を向いた。

「シオンを神に捧げるつもりだったのよ、きっと。神に捧げてこの世界を統一しようと目論んでるんだわ。
だから無駄な戦いなどせずに自分はアーテス帝国へ帰った。
ケシアに残っていた白金族人間も僅かだったしね。現に昨日の奇襲で、応戦すらしないで逃げ帰ったでしょ」

マーカスが腕を組みながら、続けて口を開いた。

「けど本人の意思がないと無理なんだろ?」

「そう。本人自ら神に身を捧げる決意をするのって、どんな時?」

「女が身を犠牲にする決意をするのは……誰かの為か」