シオンズアイズ

「嫌だ、離さない」

「……っ、」

肩を震わせて泣くシオンを、ファルは夢中で抱き締めた。

「愛している。お前が好きだ」

「嫌いになったら?もし、愛が冷めたら?!」

「シオン」

シオンはファルの腕を振りほどくと、彼に向き直った。

「嫌いになったら、邪魔になったら、私も殺すのっ!?」

「そんなわけないだろう!俺は殺人鬼じゃない!」

シオンはビクッとした。

「でも、殺そうと」

「ああ、そうだ!」

ファルは怒鳴った。

「俺は人を数えきれないほど殺してきた!だが殺さなきゃ殺されてた!
国を、民を守るのが俺の勤めなんだ。攻めてくる相手を迎え討たなければ、俺たちに未来はない!」