シオンズアイズ

シオンは泣きながら寝台を降りた。

意に反して足がもつれるのをなんとか抑え、出口へと向かう。

一方ファルは、ガタンという音で振り向いた。

涙に濡れた頬を拭いながら、シオンが部屋を出ようとしていた。

……俺と、いたくないのか。

「待て」

何も考えられなかった。

ファルは咄嗟に身を翻し、シオンを抱き締めて止めた。

「……行くな」

ドキンと鼓動が跳ねたが、それが更にシオンを苦しめる。

「ファル、離して」

ファルは、シオンの髪に顔を伏せて囁くように言った。