シオンズアイズ

硬直したシオンを見てファルは思った。

……エリルの森で連れ去られ、白金族人間と生活を共にし、シオンは俺を忘れたのか。

同じ部屋で暮らすうちに、カイルを愛したのか?

ファルは、カイルに止めを刺そうとした時、血相を変えて阻止しようとしがみついてきたシオンを思い返した。

あれは、カイルが好きだからか?

俺を選んだのは、香と再会するためで……。

けれど先程、シオンは確かにこう言った。

凄く、会いたかったと。

「シオン」

ファルはたまらず手を伸ばし、シオンの頬に触れようとした。

「っ……!!」

瞬間、ビクッと身を震わせ、シオンがファルを避けた。