シオンズアイズ

「さよなら、カイル」

腕の傷と腹の傷がやけに熱くなって、カイルは目眩がした。

シオン、君とずっと一緒にいたかった。

いつの間にか愛してしまったんだ。

君が『七色の瞳の乙女』だろうが普通の女だろうが、関係ない。

君だから好きになったんだ。

カイルは切なげにシオンを見つめた。

「お別れだ。さよならシオン」

たまらずカイルはシオンを胸に抱いた。

それから彼女の耳元に口を寄せ、囁くように告げる。

「愛してたよ」

カ、イル……!

「さらばだ!ファル!」