シオンズアイズ

「どけ!」

黄金色の瞳が強く光り、シオンを射抜くように見据える。

「嫌!!」

シオンはファルの鎧を拳で叩いた。

「カイルを殺すなら、私はファルとは帰らない!!」

な、に?!

シオンは泣きながら訴え続けた。

「あなたがカイルを殺すのを見たくない!カイルが殺されるのもあなたが死ぬのも嫌、絶対に嫌!」

子供のようにしゃくり上げるシオンを暫く見つめていたが、やがてファルは諦めたように息をついた。

「いいんだ、シオン」

シオンは振り返ると、脇腹を押さえて壁に寄りかかるカイルに走り寄った。