シオンズアイズ

瞬きも出来ないシオンの前で、窓から身を踊らせるように部屋に押し入ると、ファルは腰から黄金の長剣を抜き放った。

一方カイルはシオンの上から飛び退き、壁にかけていた銀色の剣を掴むと素早く構えた。

「これはこれは、黄金族人間の王子様」

「カイルだな」

強くこちらを睨み据えたファルを、カイルは憎しみを込めて見返した。

「いかにも」

ファルは一瞬だけ瞳をシオンに向けて、唇だけで笑った。

「一緒に帰るぞ」

優しい声だった。

「ファル……!」

ああ、会いたかった、会えるのを夢に見ていた!