シオンズアイズ

振り仰げば、至近距離からこちらを見下ろすカイルの青い瞳が目に入った。

「……なに?」

カイルは無言だった。

ただ、真っ青な瞳がこちらを真剣に見ていて、シオンは苦しかった。

いやだ……見ていられない。

シオンはカイルから眼をそらして俯いた。

その直後、カイルの苦笑いが聞こえた。

「シリウス様との約束の日をとっくに過ぎてしまってる。きっと帰ったらブツブツ言われるだろうな」

「私、馬を見てくる」

カイルは固い表情のシオンをチラリと見て息をついた。

「夕食を用意しておくから、暗くなる前には帰っておいで」