◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「明日の朝、アーテス帝国に帰る」
庭で摘んだ花を花瓶に生けようとしていたところであったが、シオンはカイルのその声に僅かに息を飲んだ。
……行きたくない。
アーテス帝国へ行けばいまよりも一層、ファルと離れてしまう。
シリウスに刺された足は、多少の違和感が残るものの生活に支障はない。
馬にもなんとか乗れる。
……逃げるなら、今かもしれない。
「ねえ、シオン」
急に耳元で名を呼ばれ、ビクッと跳ねそうになる身体を、シオンはなんとか抑えた。
「明日の朝、アーテス帝国に帰る」
庭で摘んだ花を花瓶に生けようとしていたところであったが、シオンはカイルのその声に僅かに息を飲んだ。
……行きたくない。
アーテス帝国へ行けばいまよりも一層、ファルと離れてしまう。
シリウスに刺された足は、多少の違和感が残るものの生活に支障はない。
馬にもなんとか乗れる。
……逃げるなら、今かもしれない。
「ねえ、シオン」
急に耳元で名を呼ばれ、ビクッと跳ねそうになる身体を、シオンはなんとか抑えた。


