シオンズアイズ

一言で歩兵隊といえど、その中身は扱う武器により、実際は隊の名称が数種類に分けられている。

父王ダクダの兵達は騎馬隊が主であるが、ファルの兵は歩兵隊が主力なのだ。

マーカスがファルの黄金色の瞳をしっかりと見据えた。

「湖岸の闘いでは手厳しくやられたが、今度はそうはいかない。ケシアは黄金族人間の街だ。俺の作戦に抜かりはない。必ず奪還できる」

街中での奇襲攻撃で力を発するのは、やはり小回りが効き、弓、剣を体の一部のように扱える身体能力の高い歩兵隊なのだ。

「今夜は飲もう。軍神マルスに祈りを捧げ、我らの武運長久を祈って」

マーカスの言葉に、皆が力強く頷いた。